Fate HF Ⅲ. spring song 映画感想レビュー

 HF三章が公開されて早くも一週間が経過しました。

皆さん観に行かれました?私は公開日と今日のライブビューイングに行きました。二回目でしたがまた新しい発見が多くて本当に丁寧な映画だなと思っています。今回は映画の感想を書いていきます

映画の感想

 一言でいうと最高でした。これでもかというくらい丁寧に細かいところまで作りこまれていて原作愛をふんだんに感じました。見終わった直後は、こんな素晴らしい作品を作ってくれてありがとうという気持ちでいっぱいでした。

 映画の始まりは前章の続き、士郎が慎二の亡骸に向かい合うシーンから始まります。この時の士郎の表情と間から自分の選択によって身近な誰かをなくしてしまった。取り返しのつかないことをしてしまったことを感じ取れます。ただ、だからこそ桜を守るという目的をより強く意識したのではないかとも感じました。そして直後にイリヤを連れられ凜も倒れ自分の選択により周りが傷つくさまを見ていきます。ただそれでも桜を守ろうとします。以前までの士郎とは正反対です。士郎はもともと多数のために自分を犠牲にすることを選んできました。これは大災害で一人生き残ったことへの贖罪でもあり、切嗣を継ぐという士郎の偽善でもあると考えています。ただそれを二章で桜を殺さない選択により、今までの生き方、切嗣を継ぐという理想を捨て去り新しい夢(=桜を救う)ことに対する決意なのだと思います。その後士郎は桜を救うため真っすぐと進んでいきました。正直まぶしかったです。士郎は不器用で一つのことしか頭になく、簡単に自分を捨てられる。真正面から物事に立ち向かえる様は少年漫画の主人公のようでした。HFは暗いイメージばかりありましたが、話の流れ的には少年漫画だと今回初めて気づきました。

言峰綺礼について

 士郎を語るのにもう一人欠かせないのが綺礼の存在です。今までは無機質なわけわからない人でしたが今回綺礼の内面が大きく出されました。他人の幸福を苦痛に感じ、この世界にいることに苦痛を感じていた綺礼でしたが、だからこそ信じるものを欲しがったのではないかと。それが新しい生命の誕生ではないかと感じました。映画のラストのほうでアヴェンジャーを誕生させるかどうかで士郎と対立し、生まれる前は皆無実だと説きます。だからこそ誕生させるのだと言いました。私的にこれは言い訳にしか聞こえなかったです。アヴェンジャーによってこの世の人がすべて殺され最後の一人が何を選ぶのか見たいといいますが、その最後に自分は含まれてないはず(綺礼は聖杯がなくなると死ぬため)。つまり見ることはできないのに知りたいと言っている。死後の世界など信じる人間には見えないので死んだら終わり。最後まで結末を知ることはできない。つまり綺礼はあれが生まれることで起こること、起こった後の結末までを自分で想像して楽しんでいるのではないかと思いました。そしてそれこそが自分の楽しみ(=他人の苦痛)であり、それを実現させるために誕生させようとしたのではないかと思います。要は自分の理想のために何かをしようとしていること。それが士郎に似ているなということです。お互いがんこで譲らない性格だからこそ最後に拳で語り合うというまさに少年漫画でした。

・遠坂姉妹

 桜と凜は知っての通り実の姉妹です。魔術師としての資質についてはほぼ同じ。しかし育てられた環境が異なります。凜は遠坂の娘として、父親の教えに従い魔術師として恥じないよう鍛錬に育んできました。対して桜は間桐家で蟲にいじられ育ちました。劇中では桜と凜の掛け合いが多かったと思いますが、桜はどこか甘えたい感じ(私はこんなにつらかった、大変だった、死にたかった、でも耐えてきた。なのになんで誰も褒めないの、私を見ないの救わないの。どうして。)。対して凜は冷静に大人びた対応をしていました(それがどうしたの?など)。二人とも魔術師の修行は孤独にこなしてきましたが、桜は周りに人(臓硯、慎二)がいるのに対し凜はずっと一人でした。桜は甘えられる人がいるのに甘えられない環境で育ちまだ幼かった。また臓硯からも大した教育を受けていなかった。対して凜は一人で魔術師として生きてきた。そんな二人のこれまでの人生を感じさせるような会話が多かったです。凜は桜に対し一見冷たく対応しますが(遠坂の魔術師として)、心の中では桜を救いたいと思い最後の選択をしました。桜と凜はもとはほぼ同じ姉妹なのに育った環境で生まれた性格を細かく表現されていて驚きました。あと個人的に桜の陰キャ具合が気になりました。私はこんなに苦労しているのに、あなたは全然苦労していないのになんであなたに勝てないの。こんな感じのことを言っていてなんというか陰キャ、自分に似てる部分があるなと感じました。言っている相手は凛なので向こうも大変なのですが、相手の苦労を考えないところなんかもぽいなあと感じました。

・全体的な感想

 とにかく良かったです。それぞれのシーンでキャラクターが何を考えているのかを言葉だけでなく表情や汗、間などで表現しているぶぶん。あとは戦闘シーンの迫力などは最高でした。あとは途中でemiyaが流れたシーン。イントロであっこれエミヤだと気付き勝手に興奮してしまい、自分はこんなにfateが好きなのかと自分でも驚きました。とにかく細かい部分にもこだわっていて、セイバーのシーンなど二回目に初めて気づいてこともあったので、また見たいなと思います。4DXも始まるしね